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【ベネチア(イタリア)28日】第65回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に、最新作「アキレスと亀」(9月20日公開)を出品している北野武監督(61)が28日、現地で会見を行った。また、昨年創設の「監督・ばんざい!」賞の授賞式にも出席。「タケ魔人」が登場する「ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一髪」の河崎実監督(50)も会見するなど、ベネチアは「北野デー」となった。
7度目のベネチアで、北野監督が新作に込めた決意を堂々と披露した。
世界各国200人の報道陣を前に、共演の樋口可南子(49)と壇上に上がった北野監督は「前2作は何だか分からないと言われて、まじめに撮りました。でも、ちゃんと撮りましたね、と言われてうれしいんだか悲しいんだか」。照れ笑いの中にも、狙い通りの手応えを感じているようだ。
北野監督自身が主演する「アキレスと亀」は、世間からまったく評価されない芸術家を描いた物語。夢を追い続ける男と一心に夫を支え続ける妻の愛を描く。
今作は、3部作の3作目と位置づけ。「TAKESHIS’」はタレント・ビートたけしとしての葛藤(かっとう)を描き「監督・ばんざい!」では映画監督としての苦悩を描いた。「この2本が不評で悩んだ。売れない画家と同じだね。結論は、当たらなくてもいいということ。アートというのは、やっていくことに価値を見いだすということです」これまでの作品は芸術性を評価されながら商業的成功は今一歩と言われるが「監督として映画を作ることが何と素晴らしいことか」。14本目の作品にして北野流の真理にたどりついた集大成といえそうだ。
ベネチア国際映画祭では、1997年に「HANA―BI」でグランプリの金獅子賞、03年「座頭市」で監督賞を受賞しているだけに期待がかかるが、「ずうずうしいことは考えてないよ。参加できることが名誉。いろんなことがあると死んでしまう」と笑わせた。しかし、「コンペに誰でも参加できると思ってるけど、ちがう。日本の監督で落とされている人がいて『あれには興味ない』って言っているのには笑っちまう」と強烈な自負も。
ベネチアの常連で、現地での人気・評価は高く、今回の滞在でも25の国と地域、約85媒体からの取材を受ける。この日はイタリア地元映画紙の1面を飾り、昨年から新設の「監督・ばんざい!」賞の授賞式に出席。「待遇がよくていいね」と笑顔を見せていた。
参照元:スポーツ報知