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10日に肝不全のため亡くなった映画評論家の水野晴郎さん(享年76歳)が最後に見た英映画「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」(エドガー・ライト監督)が7月5日に封切られる。水野さんは病床、「編集が面白い」と絶賛。また、同映画は日本公開を求める署名運動が起き、石井聰亙監督(51)やお笑いコンビ・浅草キッドの水道橋博士(45)ら約2300人が参加している。

 映画評論家として日テレ系「金曜ロードショー」(旧・水曜ロードショー)のレギュラーを25年務めた水野さんが、病床で“最後の評論”をしていた。「ホット・ファズ」は元エリート警官(サイモン・ペッグ)と、警察映画マニアで銃撃戦を夢見る相棒(ニック・フロスト)が活躍するアクション・コメディー。田舎町で殺人事件が続発し、町を支配する“武装老人集団”に立ち向かうストーリーだ。

 水野さんと言えば大の警察マニア。「面白い編集をするね」と作品にくぎ付けになり、観賞後は「ダイハードが見たくなった」と、ブルース・ウィリス(53)が警官を演じた米映画の名前を挙げたという。

 同映画は昨年2月に英公開され3週連続興収1位のヒット。ライト監督はクエンティン・タランティーノ監督(45)が熱狂的に支持し、監督の大ファンのケイト・ブランシェット(39)は今作の出演を直訴し数秒だけ登場。だが、監督も出演者も日本ではまだ知られていない存在。「海外コメディーは当たらない」との定説もあり日本公開の予定はなかった。

 それを覆したのが、水野さんと同じくこの映画を気に入った“応援団”の存在だ。日本公開を求める署名運動が昨年11月にネット上で始まり、海外で今作を見た映画ライターや一般ファンを始め、映画「天然コケッコー」の山下敦弘監督やお笑いタレントの大谷ノブ彦ら各界の2300人超が参加した。小堺一機や大槻ケンヂ、みうらじゅんらがチラシに推薦文を寄せている。

 ギャガ・コミュニケーションズが配給し東京、大阪など4都市で公開。最終的に全国50館で上映する。「いやあ~、ホット・ファズって本当にいい映画ですね」天国の水野さんもさぞ喜んでいることだろう。

 ◆「しのぶ会」7・8開催 ○…「水野晴郎をしのぶ会」が7月8日に東京・新宿のロフトプラスワンで行われることも決まった。弟子の中野ダンキチ(35)によると、ゲスト数人を招き思い出を語ったり、ここ5年の水野さんのプライベート映像や写真のスライド上映を予定している。中野は「楽しい人だったと笑って送り出してもらえたら」と話していた。

参照元:スポーツ報知

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