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女性レゲエ歌手のMetis(23)が20日、がんと闘う母にささげる新曲「母賛歌」を発売した。4作目となるシングルは、女手一つで育ててくれた最愛の母に「産んでくれてありがとう」と心から感謝の気持ちをつづった。4年前に末期の肺がんのため、あと2年の命と宣告され、現在も闘病を続ける母・和子さん(52)へ精いっぱいの恩返しとして、生きる勇気と元気を届ける。

 Metisは5年前、歌手を志して、広島から母親の和子さんと一緒に上京。地道な楽曲制作とライブ活動に明け暮れていた04年、突然、目の前が真っ暗になった。

 和子さんが、末期の肺がんに侵されていることが判明。余命2年と絶望的な現実を突きつけられた。和子さんは01年にも肺がんを患っており、03年には乳がんで摘出手術も受けていた。物心がついた3歳当時には父親の姿はなく、和子さんと二人三脚で歩んできたMetis。母と誓った夢をかなえる一歩手前で、残酷すぎる再発だった。

 それでも生きることをあきらめず、抗がん剤治療に耐える母を支え、Metisもレコーディングスタジオと自宅、病院を往復する闘病生活を続けた。和子さんは06年7月には心不全も抱えたが、同9月、Metisが念願だったメジャーデビューを果たすと、かすかな光が差し込み始めた。

 07年1月には、1stシングル「梅は咲いたか 桜はまだかいな」が受験生の応援ソングとしてヒット。覚悟もしていた命のリミットは超えていたが、Metisの名が世間に浸透するのに合わせて、和子さんの体調も不思議と回復し、がん細胞が減少。当時の担当医師も原因が分からないという奇跡が舞い降りたのだ。

 現在も和子さんの通院治療は続いているが、都内で再び、親子水入らずの暮らしを送れている。Metisは「苦しい事は、今まで何度もあったけれども、私を育てるために、いつも強い母親を見せてくれて、お母さん本当にありがとう。これからも人生のパートナーとしてよろしくね」。自らの歌声を届けることが、最高の親孝行と信じている。

 ◆5・11母の日にイベント ○…Metisは「母賛歌」にちなみ、女子高生によるレゲエ合唱団を結成。5月11日の母の日に、一日限りの同曲合唱イベントを行う。「お母さんや家族に照れくさくて感謝の気持ちが伝えられない子が集まって、この曲を歌ってくれたらうれしいです」とコメント。自ら所属レコード会社のホームページで募集する。

参照元:スポーツ報知

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