津川雅彦「ガタが守ってくれた」…監督作「旭山動物園物語」舞台あいさつで仕事復帰

肺の手術を受け入院中だった俳優・津川雅彦（６９）が「マキノ雅彦」としてメガホンを執った映画「旭山動物園物語　ペンギンが空を飛ぶ」が７日、公開初日を迎え、東京・角川シネマ新宿で舞台あいさつが行われた。６日夜に退院し、この日の晴れ舞台に駆けつけたマキノ監督は「旭山動物園も“廃園”の危機を乗り越えましたが、監督も“肺炎”を乗り越えました」と感無量の表情だった。

　ときおりせき込むことはあったが、前日退院したとは思えないほどしっかりした足取りに、はっきりした口調。「ありがたいことです。ワクワクしてますよ」と感極まった表情で、約３００が満席となった観客の歓声に応えた。

　動物たちの「行動展示」で廃園寸前から人気動物園となった北海道・旭山動物園の再生を描く物語。津川が「途中で肺炎にかかって休めと言われたけど、車いすで酸素を吸いながら撮影した。６９年生きてきた総集編みたいなもの」という作品。

　今年１月には肺に穴が開き、胸膜腔（くう）に空気が入る「気胸」のため入院。６日に行われた親友・緒形拳さんの「偲（しの）ぶ会」にも発起人に名を連ねたが、「自重して今日に懸けました」昨晩退院し臨んだこの日の舞台あいさつ。「（入院は）緒形が死んだ部屋を使ってました。ガタが守ってくれたと思ってます」と亡き友への思いを口にした。

　公開直前には飼育係役で出演する前田愛（２５）が、歌舞伎俳優・中村勘太郎（２７）と結婚に向けた交際が明らかに。「いいタイミングで、宣伝部的には助かりましたね。入院も結婚も、そういう意味では幸運に恵まれた。でも、一番の功労者は西田さん」と園長役の主演西田敏行（６１）をねぎらった。

　先月２４日から公開された旭川市では、公開２週目で１１００万円を記録する同市の歴代１位の興行収入を記録。全国公開となったこの日も各地で大入りで１０億円も見込めるスタートに、津川は「（体は）せきをすると響くけど、今は興奮してるから痛みはない」と上機嫌。「映画にかかわっていくという人生しかないから、死ぬときは緒形のようにギリギリまで。次は恋愛ものをやりたいね」と次回作の構想も語っていた。

参照元：スポーツ報知