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デビュー4年目の成長株・橋爪遼(22)が注目を集め始めている。約3000人からオーディションで初主役をつかんだ映画「うん、何?」(錦織良成監督)が29日に公開される。俳優の橋爪功(67)を父親に持つが、10代半ばまで将来に希望を見いだせず悩み続けたという。それが「いまは『演じること』が生きがいで不可欠なもの」と言い切る。転機の訪れは何だったのか、聞いてみた。

 穏やかな笑みをたたえ、落ち着いたたたずまい。初主演作「うん、何?」では島根・雲南市を舞台に家族、将来、恋に揺れ動く繊細な男子高生を演じた。監督の注文はひとつ。「空気のような普通の子に」遼は主役に決まり「跳び上がるほどうれしかった」そうだが「普通って何? と考えれば考えるほど難しく思えて」。スクリーンでは、悩んだのがウソのような自然な演技を見せている。

 将来への夢を持てず、もんもんとした少年時代。芝居への目覚めは16歳。父・功が招かれて静岡・伊豆市で毎年続けている「菜の花舞台」に付いて行った時のこと。芝居づくりに生き生きと励む役者たちを見て「うらやましい。自分もこの世界に入ればキラキラ輝けるかな」そう思った。

 何色にも染まれそうな変幻自在を思わせる演技力は父親譲りか。2005年から役の大小はあるものの、4年間で約30本のドラマや映画、舞台に出演。着々と経験を積み、頭角を現し始めている。

 「この仕事をして初めて限界以上に自分を追い込むことを知った。役が変わる度、『もっとできたのでは』と悔しさが募る。満足せず挑戦する知らない自分を見つけたい。演技のない生活は考えられない。もし、なければ壊れてしまいそう」

 功と遼は家で仕事の話をまったくしないというが、剛柔の役をこなす父を「雲の上の存在」と尊敬し、認めている。「父はご飯食べた後は牛みたいにゴロゴロしている。でもセリフ覚えや役の準備姿を見せたことがない。部屋に閉じこもってやってる。ボクも意地があるから絶対に見せたくなくて(笑い)」親子で共演できる日も近いかもしれない。

 ◆橋爪 遼(はしづめ・りょう)本名同じ。1986年11月21日、東京都生まれ。22歳。2005年映画「恋は五・七・五!」で俳優デビュー。主な出演作に映画「男たちの大和 YAMATO」「クローズZERO」、ドラマ「のだめ カンタービレ」(フジ系)、「ジャッジ」(NHK)、舞台「混じりあうこと、消えること」。特技はトランペット。ブログ「橋爪遼の徒然のんびり日記」を持っている。身長168センチ。血液型O。

参照元:スポーツ報知

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