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女優の森光子が88歳の誕生日を迎えた9日、福岡・博多座でライフワークの舞台「放浪記」に出演した。米寿を祝したサプライズの特別カーテンコールが行われ、観客と共演陣から拍手を浴びた森は「幸せです」と投げキスを3連発。同作で単独主演の上演記録を更新中で、来年5月に迎える前人未到の2000回に向け「それが最高ですね」とスクワットを披露しながら決意を新たにしていた。

 1942回目のカーテンコール。幕が上がり、ハッピーバースデーの曲が流れると、森は右手で顔を押さえて照れを隠した。ステージ上で、共演者から次々に贈られるバラの花束15本を両手いっぱいに抱え「年はとりたくないと思ってましたが、やっぱりとってしまいました」とちゃめっ気たっぷりに話した。

 1961年、41歳にして「放浪記」で女優人生初の主役を射止めた。同作の公演中に誕生日を迎えるのは62年(42歳)、71年(51歳)に続き3回目。満員の観客1500人に祝福され「(普段の誕生日と)ちょっと違いますね」。特別カーテンコールは本人に知らされておらず「予感がなかったとはいいませんけど、幸せです」と88歳のヒロインは客席に向けて、両手で優しい投げキスを3度放った。

 「放浪記をいつまでやるのか。どこかでほかの方に譲るのか。抱いたまま死んじゃうのか」。思いを巡らせるが、心は決まっている。愛用のエアロバイクを福岡の宿舎に持ち込み、スクワットは朝夕75回ずつ、1日150回を欠かさない。食事も「高いものから安いものまでおいしいものを頂いており、内臓はしっかりしてます」と好物の肉を週1回は口にする。休演日はマージャン卓を囲むと言い「好きなことやらなきゃね」と笑った。

 名物のでんぐり返しは封印したが、ハードな舞台に「立ち上がる時は『よいしょ』と心の中で言ってます。できれば、もうちょっと喜んでいただける芝居にしたいです」と森。年内は大阪、名古屋で公演が続き、来年5月9日の89歳の誕生日に、東京・帝国劇場で2000回を達成するとみられる。「私にとっては最高の日ですよね」金字塔に向け、報道陣の前でスクワットを披露。米寿を迎えて、その動きはさらにキレを増しているように見えた。

参照元:スポーツ報知

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