堺雅人、料理も演技もうまい！…映画「南極料理人」

映画「南極料理人」（８月公開、沖田修一監督）で南極越冬隊の調理担当役を演じる俳優・堺雅人（３５）がこのほど、都内の撮影所で本紙の取材に応じた。「クライマーズ・ハイ」の新聞記者役では本職顔負けの熱演で各映画賞を総ナメにしたが、今作でも料理シーンは“プロ級”の腕前だ。「人がおいしいものを食べる時の顔はすてき。その顔に見ほれています」と料理人になりきっている。

　堺は扱いが難しい刺し身包丁を使い、丁寧にマグロを切り分けた。中華鍋で手際よくエビチリを調理。おにぎりはきれいな三角形だ。手打ちラーメンにも挑戦する。撮影前に３回、基本的な調理の指導を受けた。料理スタッフが「パーフェクト」という腕前だ。

　実際の調理担当が書いた「面白南極料理人」が原作。「南極ドームふじ基地」に赴任した隊員８人の悲喜こもごもをユーモアを交え描く。報知映画賞の助演男優賞を受賞した「クライマーズ・ハイ」の眼光鋭い記者とは対照的な役。「淡々とした生活の描写、劇的なことが起こらないところがおもしろい。料理を取り巻く人間ドラマ」と話す。
料理人“逆取材”　約１週間の北海道・網走ロケが終わり、都内で堺の料理シーンが本格化した。「普段から自炊は結構やってます。料理は生活の延長で声高に言うことではない」と堺。「クライマーズ―」では１０人以上の記者に“逆取材”したが、今作では実際の調理担当から話を聞いた。「（四季の）記念日や隊員の誕生日祝いなど、おもてなし好きな方でした」劇中でも隊員の誕生日をケーキで祝い、節分の豆まきのシーンがある。

　ふじ基地は沿岸部の昭和基地から内陸へ約１０００キロ離れた標高３８００メートル地点にあり、平均気温はマイナス５８度。基地内の“密室”で約１年、共同生活する隊員の楽しみが食事だ。劇中では実際の南極メニューにある仏料理のフルコース、伊勢エビフライが登場し隊員の笑顔を咲かせる。

　「人が『ご飯まだ？』と言う顔は邪気がなく目がキラキラしている。頑張らなきゃ、と思うお母さんの気持ちはこういうことかな」作る喜びを味わっている。クランクアップは３月上旬の予定。

参照元：スポーツ報知