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【台北5日】奄美大島出身の歌手・中(あたり)孝介(27)が現地のインターナショナル・コンベンションセンターで、デビュー2年目で初の海外単独コンサートを行った。「言葉は通じなくても、何か通じるものがある」と南国のふるさとに似た空気を感じながら、島唄で磨いた独特の節回しを披露。2時間半、18曲を響かせて、2500人を魅了した。

 海を越えた初の大舞台でも、優しいぬくもりを届けた。「ワォーアイ、ニーモン。ワォーアイ、台湾」(みんな愛してますよ、台湾大好き)。精いっぱいの北京語も披露し、観客の心をつかんだ。

 「言葉は通じなくても何か通じるものがある」と中。台湾でも発売したファーストアルバム「ユライ花」のユライは、奄美の方言で「寄り合う」を意味する。中の紡ぐ歌声を中心に、現地のファンも確かに“ユライ”だ。

 懐かしい香りを感じていた。大型の台風15号が接近し「蒸し暑さとか空気は似てますね」。生まれ育った奄美の地を思い出しながら、大好物の「空芯菜(くうしんさい)」料理もほおばり、本番を迎えた。

 中の声と現地の民族的な音楽も絶妙にマッチ。06年3月のデビュー以来、台湾ではシングル2曲をリリース。同11月には、日本に先駆け発売したアルバムがYahoo台湾チャートで1位を獲得。同12月の音楽イベントにも出演し、「チュン・シャオジェ(中孝介)の声はまるで楽器のようだ」と現地ではソロ公演の要望が高まっていた。

 初の海外ワンマンで過去最高だった9月の全国ツアー、東京・九段会館公演(約1200人収容)を上回る観客が拍手で聴き入る姿に、中は「うれしくて、鳥肌が立ちました」。台湾の人気歌手、ワン・ガンリャンと、中がカバーしたガンリャンのヒット曲「童話」でデュエット。新曲「種をまく日々」(11月14日発売)も披露した。

 年末には初のNHK紅白歌合戦出場が期待される。「選ばれたら、うれしいけど。今は目の前の道をゆっくり進んでいきたい」。台湾に大きな花を咲かせた中が、実りの時を信じて歌い続ける。

参照元:スポーツ報知

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